幾度失敗しても志をまげないこと ~百折不撓~ 

将棋の有名棋士座右の銘として大切にし、色紙や扇子によく揮毫している言葉

「百折不撓」(ひゃくせつふとう)

幾度失敗しても志をまげないこと

昨年タイトル獲得した木村一基王位の揮毫難関と言われる三段リーグを抜けるのに6年を要し、晴れてのプロ入りは23歳。

最近なら遅すぎるわけではないが、早いとは言えない年齢だ。

将棋界のトップ棋士の一人であることは間違いないのだが、初のタイトル挑戦は、32歳、竜王戦棋士として油の乗り切った年齢だが、ラストチャンスと考えてもおかしくはない。 それから......挑戦すること、6回。

あと僅かでタイトル奪取もありながら6回とも全て敗退。そして、2019年。王位戦。気づけば、木村一基九段は46歳になっていた。相手は豊島将之王位(当時)

豊島王位(当時)は、史上最年少で奨励会に入会した。当時は「史上初の小学生棋士か?」とも騒がれた。流石に小学生では昇段まで至らなかったものの、中学二年にして最速で三段リーグ入り。

そこから三段リーグを抜けるのに...二年半を要したが高校二年でプロになってからも、豊島王位(当時)の評価は常に高かった。「天才」と言われ、タイトル候補と見られていたことは間違いない。

しかしながら、豊島王位もまた、4回のタイトル挑戦失敗を経験している。

5回目の挑戦にして昨年羽生棋聖を破り、念願の初タイトルとなる棋聖位を獲得。それからの活躍は......将棋ファンの方々ならご存知のとおりで、木村王位はこの最強棋士を迎えての過去最多である7度目のタイトル挑戦、お互い譲らず3勝3敗の最終局。。

「負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることは結構辛く、抵抗がある。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんだろう。」という木村王位の有名な言葉がある。

負けそうなときにそれでも、指し続けるのは辛い。しかし、このような大きな勝負ではむしろ、勝っている方が、追われている方が、苦しい。決して楽になることはできない

この二人は、そんな勝負を、物心がついてから、何十年にも渡って繰り広げてきたのだ。破れても破れても、また1から立ち上がり、将棋盤に駒を並べてきたのだ。

そして最終局に勝利した木村王位は46歳3カ月での初タイトル。7回目の挑戦での初タイトル。初タイトル挑戦から14年。。。

扇子に揮毫された百折不撓の文字が、またとなく光り輝く瞬間が訪れたのである

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最後まで読んでいた頂きありがとうございました

口角をあげて今日も1日いきましょう